★愛玉先生の中国語ネイティブ化計画コラム
中国語は、英語を抜いて世界最多の話者を誇る言語だというニュースを最近耳にしました(2位はスペイン語、3位が英語だそうです)。中国の標準語・普通話(Mandarin)は中国13億の人民にとどまらず、台湾や東南アジア(シンガポールなど)一帯、また、近年では香港やマカオなどにも普及してきました。しかし、これだけ通用する範囲が広いと、地域によって発音や語彙に差が出てくるのも当然のこと。とくに1949年以来、社会体制的に断絶してきた中台間では、本土の標準語「普通話」と台湾の標準語「国語」で意外なほどに差異があります。イギリスの英語とアメリカの英語に違いがあるのと同じことで、体制や生活環境の違いが生んだ必然のギャップです。

ですから、中国国内だけでなく、もっといろいろな地域の人々と中国語で交流したいという場合、それぞれの言語感覚の違いを受け入れることもけっこう重要です。そんなわけで、今回は中国の「普通話」と台湾の「国語」の違いについて、少しご紹介します。

普通話と国語の違いについては、発音・字体はもちろんのこと、語彙も異なることが多いです。その違いを生みだした理由には、大きく分けて3つあります。

■1)1949年(中華人民共和国成立)以前に通用していた語彙

共産国家になった中国は旧態依然とした慣習や風俗を排除したため、伝統的なオリジナル中国語の語彙が多く消えて行きました。社会的に使う必要がなくなったからです。しかし、その影響を受けなかった台湾や香港にはこのような語彙が現在も残っています。

例)
先生(xiānshēng/ミスター)
小姐(xiǎojiě/ミス)
太太(tàitai/ミセス)
女士(nǚshì/ミズ)
老板(lǎobǎn/社長)
などの呼称

■2)1949年以後に出現した事物を表す語彙

生活環境の現代化に伴って新たに出現した事物に、中国と台湾それぞれが独自に新語を当てはめていったため、語彙に差が生じたものです。

例)
普通話/国語
クーラー→空调(kōngtiáo)/冷气机(lěngqìjī)
タクシー→出租车(chūzūchē)/ 计程车(jìchéngchē)
インスタントラーメン→方便面(fāngbiànmiàn)/速食面(sùshímiàn)
ビデオテープ→录像带(lùxiàngdài)/录影带(lùyǐngdài)

■3)方言・外来語の影響を受けた語彙

台湾では、戦前から暮らしていた住民の間では福建語や客家語といった方言が使われています。また、日本統治時代の影響もあり、こうした方言や日本語を中心とする外来語がかなり国語の語彙に入ってきています。

例)
普通話/国語
マッサージ→按摩(ànmó)/ 马杀鸡(mǎshājī)
弁当→盒饭(héfàn)/ 便当(biàndāng)
ショー→表演(biǎoyǎn)/ 秀(xiù)
ブッシュ(人名) →布什(bùshí)/布希(bùxī)
エリクソン(企業名) →爱立信(àilìxìn)/易利信(yìlìxìn)

これがセンテンスとなるとさらに大きな違いになるので省きますが、短いセンテンスを例にとるを、台湾の国語では「不客气(bú kèqi/どうしたしまして)」を「不会(bú huì)」、「不知道(bù zhīdao/知りません)」を「不晓得(bù xiǎodé)」と言ったりします。

話者人口でいえば普通話の優勢は圧倒的ですが、筆者個人の印象では、本土以外の中国語圏(香港・シンガポールなど)で話される標準語は、国語寄りの印象があります。そういう意味では、台湾の国語は国際力に長けているともいえます。また、中国国内でも南下すればするほど国語の語彙が普通語に流入しています。ですから、「各地の標準語」を勉強して損をすることはないと思います。
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