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今回は動詞の時制でもう少し複雑な表現を学びましょう。過去にすでに発生した動作、あるいはすでに経験したことがある動作を、助詞「过(guò)」を使って表現します。
■会話
A:
听说,烤鸭是北京的名菜。
Tīngshuō, kǎoyā shì Běijīng de míngcài.
北京ダックは北京の名物料理だと聞きました。
B:
我还没吃过呢!
Wǒ hái méi chīguò ne!
わたし、まだ食べたことがないんですよ!
A:
我们应该去尝一尝。
Wǒmen yīnggāi qù cháng yì cháng.
きっと食べてみるべきでしょうね。
B:
当然啦!
Dāngrán lā!
もちろんですよ!
A:
我朋友告诉我,
○○
烤鸭店是挺好的,
店内装饰也是传统的中国风格。
Wǒ péngyǒu gàosu wǒ, ○○kǎoyādiàn shì tǐng hǎo de, diànnèi zhuāngshì yě shì chuántǒng de Zhōngguó fēnggé.
友達が教えてくれたのですが、○○烤鴨店はとてもいいそうです。店の内装も伝統的な中国式で。
B:
很有意思!
Hěn yǒu yìsi!
おもしろそうですね!
A:
那我们一起去吧。
28号晚上我没事,
你呢?
Nà wǒmen yìqǐ qù ba. èrshíbā hào wǎnshàng wǒ méishì, nǐ ne?
では一緒に行きましょう。わたしは28日の夜は暇なのですが、あなたは?
B:
不好意思,
那天我有点事。
Bùhǎoyìsi, nàtiān wǒ yǒudiǎn shì.
すいません、その日はちょっと用事があって。
A:
那30号怎么样?
Nà sānshí hào zěnmeyàng?
だったら、30日はどうですか?
B:
也不好说。
Yě bùhǎo shuō.
まだ予定がはっきりしないんです。
A:
那以后再说吧。
Nà yǐhòu zài shuō ba.
なら、また今度にしましょう。
■単語
烤鸭
(kǎoyā/名詞):ローストダック
名菜
(míngcài/名詞):名物料理、有名な料理
过(guò/助詞):(動詞の後について動作の完了、経験を表す)すでに~した、~したことがある
应该
(yīnggāi/能願動詞):(理屈の上で)~すべきである (=英語の「should」に相当)
当然
(dāngrán/形容詞/副詞):当然の、当たり前の/もちろん
告诉
(gàosu/動詞):知らせる、教える (=英語の「tell」に相当)
装饰
(zhuāngshì/名詞):装飾 ※日常では、室内の内装や飾り付けを指すことも多い
传统
(chuántǒng/名詞):伝統
风格
(fēnggé/名詞):(芸術・デザイン・文学などの)スタイル、作風 (=英語の「style」に相当)
有意思
(yǒu yìsi):(興味がそそられるという意味で)おもしろい、意義深い (=英語の「interesting」に相当)
事(shì/名詞):用事、仕事
以后
(yǐhòu/名詞):その後、のちほど
■注目フレーズ1:
語気助詞「呢(ne)」
今回の会話で語気助詞の「呢(ne)」が2回登場しますが、それぞれに意味あいが異なります。
A:強調、誇張を表す
我还没吃过呢!
(Wǒ hái méi chīguò ne!)
「まだ食べたことがないんです“よ”」といったニュアンスになります。強調・誇張と言ってもそれほど主張度合いの強い語気助詞ではなくて、どちらかというとかわいらしい語感を出す印象です。感情の色彩としては、「本当は食べたいのに、まだ食べたことがないんだよね…」といった、小さな不満・小さな主張を控えめに漏らすイメージです。
B:疑問を表す
你呢?
(Nǐ ne?)
「あなたは?」―これは頻出&便利なフレーズです。こちらも疑問のニュアンスをやわらげて、やさしく質問するような語感を出します。相手に回答を迫る感じがやわらぐイメージでしょうか。
■注目フレーズ2:
予定の有無を表す「
有事
(yǒushì)/
没事
(méishì)」
これも非常に便利なフレーズです。
・没事=予定・用事がない、暇である
・
有点事
=予定・用事がある
否定文の時は「没事」なのに、肯定文になるとなぜ「有“点”事(=有一点事)」なのでしょうか?これは必ずこう言わなければいけないわけではないのですが、日本語でも「用事がある」と言うより、「“ちょっと”用事が」と言う方が多いですよね?ダイレクトな物言いを避けるのは、中国語も同じです。ここは習慣的に「有点事(ちょっと用があって)」と言う方がベターだと思います。
■注目フレーズ3:
予定や約束などを確定する・決める「说(shuō)」
「说(shuō)」というのはもちろん「言う、話す」という意味ですが、予定や約束などについて「何かを取り決める」「確定する」という時にも使えます。
会話文には2例、登場しました。
・
不好说
(bùhǎo shuō):
これは直訳すると「言いづらい」という意味です。はっきり言ってしまうと支障がある場合や、その時点ではっきりしたことが言えない、と言った場合に使います。
会話文では、「予定がはっきり確定していないので、今はなんとも言えない」という意味で使っています。
・
(以后)再说吧
(yǐhòu zài shuō ba):
こちらは直訳すると、「あとでまた話しましょう」という意味です。取り決めが必要な事項に関して、「いまは(確定できないので)問題を棚上げし、改めて話し合いましょう」と提案します。この場合、必ずしも“後日改めて決める”という意味ではなく、たとえば双方の合意が難しそうな事柄などについて、「まあ、また今度にしましょう」とお茶を濁す場合にもよく使います。
■文法1:
すでに発生した動作や「~したことがある(経験)」を表す「V+过(guò)」
動詞の後ろに助詞「过」をつけて「すでにVした」「Vしたことがある」という文を作ります。
例)
我去过长城。
(Wǒ qùguò Chángchéng./わたしは万里の長城に行ったことがあります)
我学过汉语。
(Wǒ xuéguò hànyǔ./わたしは中国語を学んだことがある)
我没吃过烤鸭。
(Wǒ méi chīguò kǎoyā./わたしはまだ北京ダックを食べたことがない)
これを疑問文にするには、「有没有+V+过+O?」あるいは「V+过+O+没有?」とします。
你去过美国没有?
(Nǐ qùguò Měiguó méiyǒu?/あなたはアメリカに行ったことがありますか?)
你有没有看过那部电影?
(Nǐ yǒu méiyǒu kànguò nàbù diànyǐng?/あなたはあの映画をみたことがありますか?)
1文に2つの動詞が出現するフレーズの場合、「过」が入る位置は一般的に、2番目の動詞の後です。
我去那家饭店吃过饭。
(Wǒ qù nàjiā fàndiàn chīguò fàn./わたしはあのホテルで食事をしたことがあります)
※去(V1)+那家饭店(O1)+吃(V2)+ 过+饭(O2)
■文法2:
主語のないフレーズ
「主語+動詞」は文を構成するには欠かせない要素ですが、一部の例外として、主語がなくても成立するフレーズがあります。以下に一例をご紹介します。
例)
有人
找你。
(Yǒu rén zhǎo nǐ./誰かがあなたを探していましたよ)
※有(V)+人(O)+找你(C)
有人
请你看电影。
(Yǒu rén qǐng nǐ kàn diànyǐng./あなたを映画に誘いたい人がいます)
※有(V)+人(O)+请你看电影(C)
■文法3:
「まだVしない」「まだVしたことがない」の文型
「
还没
(hái méi)+V」「还不(hái bù)+V」は、ある動作がまだ発生していない、あるいはまだ完了していないことを表します。
例)
他还没有来。
(Tā hái méiyǒu lái./彼はまだ来ていません=まだ発生していない動作)
※「有」は省略可能です。なお、「还(まだ)」を省いて「
他没有来
(Tā méiyǒu lái)」とすると、「彼は(ついに)来ませんでした」という意味になりますので注意。
这件事我还不知道呢。
(Zhèjiàn shì wǒ hái bù zhīdao ne./このことについて、わたしはまだ知りません=まだ完了していない動作)
我还没吃过烤鸭。
(Wǒ hái méi chīguò kǎoyā./わたしはまだ北京ダックを食べたことがないです=まだ発生していない動作/未経験の動作)
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